簡単に言えば、偏差値という概念がない以上、ハーバード大学の偏差値は存在しないわけである。出願すると、学生は授業の成績のみならず、統一試験の点数、推薦状の内容、エッセーの内容、面接の結果などから、総合的に評価される。統一試験の点数でいくつ取れれば合格、というような簡単な仕組みではない。この記事でも紹介したように、アメリカの学生は、偏差値を基準に、というよりは、学校内での位置づけなどを参考に、先輩の合格実績などから自分の大体の受かりそうな学校の目処を立てるのである。
ところで、「大学ランキング」というものも存在するが、これもまた入試の難易度とは違うため、出願する大学を決めるのには役に立たない。大学ランキングを過信する人がいるが、『ランキングによって評価方法が大きく異なるため、同じ大学でも順位がまったく違うことがある』ということを知っていれば、ランキングの無意味さがわかるだろう。また、大学の「ランキング」は大学の「知名度」と異なるため、受験する学校を選ぶために「大学ランキング」を見ても、ほとんど参考にならないだろう。
むしろ、ランキングを使うのであれば、興味のある分野のランキングを見るといいだろう。学部別のランキング、学部生活のランキング等々、目的を明確にして参考にするのであれば、ランキングにも使いみちがある。