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日本では、高校を卒業して、そのまま海外の大学へ入学する人は、さほどいない。特に、語学留学ではなく、海外のトップ大学で勉強するという道のりは、ほとんど未開拓のままだ。このブログは、海外の大学に行くための「超具体的」なプロセスを紹介することにより、日本の高校生に、アメリカの大学に進学するという選択肢の存在を知ってもらい、さらには、アメリカを代表する名門大学への進学を真剣に検討してもらいたいという私の願いから生まれた。

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2011年2月26日土曜日

ハーバードのEarly Actionが復活へ

Harvard Crimsonの報道によれば、来年度の入試より、3年間前に廃止されたEarly Action制度が復活されることになったそうである。Early Actionを復活させることにより、受験生に早く合否を知らせることができ、とくに低収入層の入学を促すのが狙いだという。

Harvard Announces Return of Early Action Admissions Program
http://www.thecrimson.com/article/2011/2/24/harvard-admissions-early-program/

Early Actionは、出願書類を一般入試の期限よりも早い期限までに提出できた学生に、合否を早く知らせる制度である。Early Actionは、一つの学校にしか出願できないという拘束はあるものの、Early Actionで合格した学校に入学しなければならないという制約はなく、ほかの一般入試の大学の結果がでるまで、進学先を検討することができる。

2009年3月15日日曜日

合格者が辞退するアメリカの受験制度

アメリカではかなり多くの大学に出願するのが常識のため、特に複数の学校に合格した場合、どの学校に進学するのかが、一部の高校生の間での「幸せな」悩みになるのである。ゆえに、複数の学校に合格した人が、実際にどの学校に進学するのかを見ると、学生の間での学校の「人気度」を知ることができるのである。この際に参考になるが、合格者の進学率(matriculation rate)なのである。各大学で公表しているので、参考にするとよい。

なお、matriculation rateの真意については賛否両論があり、一部では、学校の人気度を反映した数値ではないとして、大学の総合ランキング等に加味していないこともある。


2009年3月13日金曜日

偏差値と学校の評価

日本の学生のありがちな質問が「ハーバード大学の偏差値はいくつなのか」という質問だ。この質問は、日本人にアメリカの入試制度がよく知られていない証拠であるといってもよいだろう。

簡単に言えば、偏差値という概念がない以上、ハーバード大学の偏差値は存在しないわけである。出願すると、学生は授業の成績のみならず、統一試験の点数、推薦状の内容、エッセーの内容、面接の結果などから、総合的に評価される。統一試験の点数でいくつ取れれば合格、というような簡単な仕組みではない。この記事でも紹介したように、アメリカの学生は、偏差値を基準に、というよりは、学校内での位置づけなどを参考に、先輩の合格実績などから自分の大体の受かりそうな学校の目処を立てるのである。

ところで、「大学ランキング」というものも存在するが、これもまた入試の難易度とは違うため、出願する大学を決めるのには役に立たない。大学ランキングを過信する人がいるが、『ランキングによって評価方法が大きく異なるため、同じ大学でも順位がまったく違うことがある』ということを知っていれば、ランキングの無意味さがわかるだろう。また、大学の「ランキング」は大学の「知名度」と異なるため、受験する学校を選ぶために「大学ランキング」を見ても、ほとんど参考にならないだろう。

むしろ、ランキングを使うのであれば、興味のある分野のランキングを見るといいだろう。学部別のランキング、学部生活のランキング等々、目的を明確にして参考にするのであれば、ランキングにも使いみちがある。

2009年3月10日火曜日

アメリカの高校生の出願戦略

アメリカの高校生は、日本の受験生よりも数多くの学校に出願する。これは、日米での受験制度の違いによるところが大きい。

アメリカの場合、統一試験の点数は、受験する学校すべてで使えるほか、推薦状も同じものを使えばよく、加えてエッセーも、少なからず各学校で使いまわせることが多い。しかも、Common Application(共通出願)があるため、各学校に提出すべき書類も少ない。大学に出願するための手間が比較的楽になる反面、皆必要以上の数の大学に出願する傾向が必然的に現れるのである。ハーバード大学などのトップ大学の倍率が異様に高くなるのは、このためだ。誰でも比較的簡単に出願できるため、運試しで挑戦する人がたくさんいるのだ。

アメリカの学生は一人で6~10校ほど出願する。日本と同様に「安全校(Safety school)」「挑戦校」の考え方が存在するが、日本のように模試で合格の可能性を測定することが困難であるため、学校内での順位などを目処に、各自自分の位置づけを知るようである。合格する可能性が未知数であるため、多い人になると20校ほど出願する人もいるという。また、有名高校では、ハーバードなどに出願できる人数をあらかじめ校内で制限するという制度もあるようだ。

余談だが、数年前に、ハーバード大学生が伝統的にハーバードの「ライバル校」とされているイェール大学のことを意識して、http://www.safetschool.orgというサイトを立ち上げた。このサイトにアクセスすると、イェール大学のホームページにジャンプするというジョークである。

アメリカの大学の学費

「アメリカの大学は学費が高い」というのは、日本のみならず、アメリカの家庭でも一般に持たれている認識である。確かに、ハーバード大学を始めとするトップ大学の学費の「定価」は高い。しかし、同時に、ファイナンシャル・エイド(Financial Aid、財政的援助)という概念が広く普及しており、この定価をそのまま支払わないで済むケースも少なからずある。この記事では、簡単にこの考え方を紹介することにする。

なお、ファイナンシャル・エイドに関してここで紹介する情報は、筆者が、経験と大学が公表している情報をもとに推測にしたものに過ぎない。ファイナンシャル・エイドは、大学側も情報をほとんど明らかにしていない上、人によって見解が大きく分かれるトピックスであることを知っていただきたい。ゆえに、情報の正確性の維持には努めているものの、内容に責任を持つことができないことをご了解いただきたい。

まずは、「定価」の学費を見てみることにしよう。ファイナンシャル・エイド・オフィス(以降、FAオフィスと略す)によれば、ハーバード大学で一年間勉強するための「Cost of Attendance(在籍するためのコスト)」は、$52650(2008-2009年度、約515,9700円[1ドル98円で換算])である。[1] この「Cost of Attendance」には、学費のみならず、寮費、食費、教科書代、雑費(Personal Expences)、交通費が含まれている(資料によれば、別途、健康保険代として$1404が必要だとしている)。アメリカでは、教育産業で特にインフレの傾向が強く、このCost of Attendanceも例年数千ドル単位で増えている(07-08年度のCost of Attendanceは$50950であった)。

つまり、学校側の試算では、一年間大学に通うためには、学費300万円ほどに加え、生活費200万円ほどかかる、ということだ。四年間で2000万円以上になる計算だ。当然、このようなコストを払い続けられる家庭はそう多くない。そこで、ファイナンシャル・エイドという考え方がでてくるのである。学費の高さでトップレベルのハーバード大学は、同時に、アメリカの全大学の中でもっとも良心的なファイナンシャル・エイドの制度を持っていることでも有名なのである。

ファイナンシャル・エイドについて詳しくは、こちらの記事をご覧いただきたい。

[1] Harvard College Financial Aid Office (http://www.fao.fas.harvard.edu/cost.htm)

2009年3月5日木曜日

統一学力試験の概要

日本から受験する場合、やはり気になるのは、統一試験でよい点数を出せるか、ということだ。この記事では、そんな統一学力試験の実際を紹介しよう。

アメリカの大学入試で使われている統一試験には、College Boardが運営するSATと、ACTが運営するACTという二種類の試験がある。前者のほうが広く使われているため、この記事では、前者のみについて説明する。

SATは、日本で言えば「センター試験」にあたるが、大きな違いとして、年に複数回実施されていること、また、一般に、日本のセンター試験に比較しても、難易度が低いことが挙げられる。親切にも、日本でも国内数箇所で実施されているが、アメリカ国内に比べて実施される回数は少ない。また、ほかの手続き同様、オンラインで申し込みができるようになっている。

SATには、 Reasoning TestとSubject Testがある。
Reasoning Testは、基本的な学力を見るために試験で、言って見れば「読み書きそろばん」、つまりWriting(文法とエッセー)、Critical Reading(読解と語彙)、そしてMath(数学)の試験である。4時間ほどの長い試験であるため、いかに集中力を持続させるかが勝負だ。また、当然ながら、WritingとCritical Readingで使われる英語力を培うことが何より大切だ。

Subject Testは、個々の科目の試験である。各科目、一時間程度の試験で、名門校ならば、数ある科目の中から、3つほど選ぶ必要がある。日本人が受験する場合、日本の学校で教わっているレベルで対処可能な「Math II」、「Physics」、「Chemistry」あたりをとるのが現実的だろう。

SAT対策の具体的戦略等については、ほかの記事で紹介する。

なお、SATに関する正確な情報収集には、College Boardのウェブサイトをご覧いただきたい。

成績表の概要

出願する際に必要な書類として欠かせないのが、成績表だ。

トップ大学の場合、みな完璧に近い成績であることが多い。この点は、日本から出願しているからといって言い訳にはならず、普段から努力してなるべくいい成績を取るに越したことはない。

成績表は、英文のものを高校に作成してもらう必要がある。英語版を作成してもらう際に、成績評定のシステムを明確にしてもらうといいだろう。たとえば、5段階評価を採用している学校なら、「5が一番いい成績で、1が一番悪い」というようなことを書いてもらうといい。

成績表の科目名等も、すべて英訳してもらおう。日本の高校生は、一般にアメリカの高校生よりも多くの科目を同時に取っているケースが多い。この点も、アピールする材料になるので、成績表にもこのことがわかるようにしてもらえるのがベスト。

成績表は、推薦状と同様に厳封してもらう。経験上、ほかの出願書類と同じ封筒に同封して学校に送付すればよいと思われるが、正確な情報は大学に確認してほしい。

推薦状の概要

出願する際に欠かせないのが、推薦状である。

表向きは、「他者からどのような学生がと思われているのか、客観的に把握する」ための資料なのだろう。しかし、よくよく考えてみれば、世界中の学生が同じ要領で推薦状を提出するわけなのだから、大学側はそれぞれの推薦状の内容を鵜呑みにするわけにはいかない。

大学に提出する推薦状は、どちらかといえば、「学生がどのような人間関係を築いてきたのかを把握する」ための資料と考えたほうがいい。普段から先生などと良好な関係を気づいていれば、推薦状を書いてもらうときにも、先生に時間をかけて密度の濃い推薦状を書いてもらえるはずなのである。

この点で、日本の学生は大きなメリットがあると言ってよいだろう。つまり、アメリカの学校では、数百人の学生が、同じ先生に推薦状をお願いしにいくわけである。その先生は、一人ひとりのためにさほど時間を割くことができないのだ。

日本ではどうだろうか。たしかに、推薦状というものをそもそも書いたことのない先生のほうが多いだろう。そのために、推薦状を書いてもらう先生それぞれに、こと細かくアメリカの大学入試事情を説明する必要性が生じる。手間がかかる。しかし、その分、先生側も、めったに書かない推薦状なので、かなり時間を割いて親切に書いてくれる可能性が高いわけである。

さて、Harvard Collegeを例に見てみると、アドミッションのウェブサイトに次のように書いてある。[1]

Two Teacher Evaluations

These evaluations must be completed by teachers in different academic subjects who know you well.

異なる科目の先生から計2通必要、というわけだ。具体的に言えば、それぞれの先生に、A4紙一枚ないし二枚程度の推薦状を書いてもらい、サインをしてもらった上で厳封し、大学に送付してもらう。

なお、正式な情報ではないが、経験談として、以下のことをアドバイスできる。

  • 推薦状は、日本語で書いてもらってもかまわない。日本語で書いてもらう場合には、学校の英語課の先生等にお願いして訳してもらい、送付するときに日本語と英語、両方の推薦状を送る。翻訳してもらった先生にもサインしてもらうことを忘れずに。
  • アメリカの大学に出願することを決めたら、早めにどの先生に推薦状をお願いできそうか、考えておくようにしよう。早め早めを意識し、できれば夏休み前に一度各先生に会って、いずれ推薦状を書いてもらいたい旨を伝えると良いだろう。
  • 推薦状をお願いする際には、あらかじめ「どの先生にどんなことを書いてもらうのか」考えておくべきだろう。違う先生が、それぞれ同じようなことについて書いているとすれば、それはせっかくのアピールチャンスを無駄にしていると考えたほうがいい。
  • 複数校に出願する場合、推薦状の内容は各大学、同じものを利用してよい。
くれぐれも、正式な情報は各大学の入試課に問い合わせていただきたい。

[1] Harvard College Admissions (http://www.admissions.college.harvard.edu/prospective/applying/requirements/index.html#tr)


アメリカの受験制度の概要

「アメリカの大学は入学しやすい」というのが、日本で世間一般に言われていることだが、実際にアメリカの受験制度がどうなっているのか実態を把握して言っている人はきわめて少ないだろう。この記事では、かなり簡単にアメリカの受験制度の概要を紹介したい。

はじめに理解してほしいのは、アメリカは「受験」ではない、ということだ。日本では、大学に入学するためには、大学から課される入学試験で一定の点数を得ることが必要条件である。それに対して、アメリカの「受験」では、センター試験のような統一試験はあるものの、そのほかの出現書類等も重要視されるのである。言ってみれば、日本は「一発勝負」であるのに対し、アメリカの制度は、精神的に「持久走」のような体験をすることになる。

アメリカ受験の「持久走」は、大学に入学する年のはじめ(もしくは、前年の末)までに、「成績表」「エッセー」「推薦状」「統一試験の点数」をそろえて、大学に送付するプロセスである。これらの資料を総合的に検討した上で、入学する年の4月ごろに合否が発表されるのである。それでは、これらの必要な書類をひとつずつ説明していこう。
  • 成績表―名前の通り、高校生のときの成績である。トップ大学となれば、受験生の大半が、完璧に近い成績で出願してくる。
  • 推薦状―高校の先生や、お世話になった人に、推薦状を2通ほど書いてもらい、大学に送付する。当然ながら、普段から周辺の人と良好な人間関係を保っている人のほうが、よい推薦状を書いてもらえる可能性が高いため、合格の可能性も高くなる。
  • 統一試験の点数―大学に入学する一年前、早い人では二年前から、アメリカの高校生は、年に数回実施されるSAT(統一学力試験)を、必要に応じて受験する。この試験は、何度でも受験してもいいことになっており、そのため、トップ大学に出願する人の中には、完璧に近い点数をたたきだす人も少なからずいる。
  • エッセー―受験書類の核をなす書類であるといってもよい。名門大学では、出願者の成績や統一試験の点数が似通っているため、エッセーでどれだけ自分を表現することができるかが、合格のための重要な鍵といってもいいだろう。
個々の詳細については、ほかの記事で紹介する。総合的に見て、アメリカの大学に入学することは、仕切りが高いように思われるが、日本から出願する人が少ないため、さまざまな点で有利であることも、今後紹介していくことにしよう。

アメリカの受験は、普段からの勉強の成果、人間関係に築き方、自分の意見の表現等々、さまざまな要求している。受験するプロセスもひとつの勉強なのである。

海外大学への学部入学をお考えのみなさん

現在、日本で得られるリソースがかなり限定されていることは否めず、日本から出願する際の大変さは、現地の学生に比べれば、人一倍でが、その結果得られるものも大きいと思う。