一般に倍率が高ければ、入試の難易度が高いといわれる。この理解は部分的に正しい。たとえば、日本では誰もが知っている難関校として慶応大学医学部があるが、ここの倍率は12倍以上である。一方、たとえば、東京大学医学部は、いわゆる「足きり」が実施され、ある程度合格する見込みのある人だけが受験するため、二次試験の倍率は3.9倍程度であったりするため[2]、必ずしも単純に数値を比較することはできない。
さて、このことを念頭に入れた上で、アメリカの有名校の倍率を見てみよう。
Harvard College - 14.1倍 [3]
Yale University - 12.1倍 [4]
Stanford University - 10.6倍 [4]
Princeton University - 10.8倍 [4]
Columbia University - 11.5倍 [4]
(なお、アメリカでは、「倍率」よりも「合格率(Acceptance Rate)」を使う習慣がある。たとえば、Harvard Collegeの合格率は7.1%となる。)
倍率が、一般に日本の大学に比べて非常に高いが、これは、日米間の入試制度の違いにより、アメリカの学生が、日本の受験生よりも多くの学校に出願することに依存している。このあたりの違いについては、ほかの記事でより詳しく紹介したいと思う。
[1] 2008年度実質倍率。医学部受験ドットコム(http://www.igakubu.com/archives/06_keio/index.html)による。
[2] 2008年度。代々木ゼミナール(http://www.yozemi.ac.jp/NYUSHI/joho/todai/contents.html)による。
[3] 2008年。Crimson(http://www.thecrimson.com/article.aspx?ref=522754)の数値から計算した。
[4] 2008年。いずれもYale Daily News(http://www.yaledailynews.com/articles/view/24166)の数値から計算した。