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日本では、高校を卒業して、そのまま海外の大学へ入学する人は、さほどいない。特に、語学留学ではなく、海外のトップ大学で勉強するという道のりは、ほとんど未開拓のままだ。このブログは、海外の大学に行くための「超具体的」なプロセスを紹介することにより、日本の高校生に、アメリカの大学に進学するという選択肢の存在を知ってもらい、さらには、アメリカを代表する名門大学への進学を真剣に検討してもらいたいという私の願いから生まれた。

2009年3月10日火曜日

アメリカの大学の学費

「アメリカの大学は学費が高い」というのは、日本のみならず、アメリカの家庭でも一般に持たれている認識である。確かに、ハーバード大学を始めとするトップ大学の学費の「定価」は高い。しかし、同時に、ファイナンシャル・エイド(Financial Aid、財政的援助)という概念が広く普及しており、この定価をそのまま支払わないで済むケースも少なからずある。この記事では、簡単にこの考え方を紹介することにする。

なお、ファイナンシャル・エイドに関してここで紹介する情報は、筆者が、経験と大学が公表している情報をもとに推測にしたものに過ぎない。ファイナンシャル・エイドは、大学側も情報をほとんど明らかにしていない上、人によって見解が大きく分かれるトピックスであることを知っていただきたい。ゆえに、情報の正確性の維持には努めているものの、内容に責任を持つことができないことをご了解いただきたい。

まずは、「定価」の学費を見てみることにしよう。ファイナンシャル・エイド・オフィス(以降、FAオフィスと略す)によれば、ハーバード大学で一年間勉強するための「Cost of Attendance(在籍するためのコスト)」は、$52650(2008-2009年度、約515,9700円[1ドル98円で換算])である。[1] この「Cost of Attendance」には、学費のみならず、寮費、食費、教科書代、雑費(Personal Expences)、交通費が含まれている(資料によれば、別途、健康保険代として$1404が必要だとしている)。アメリカでは、教育産業で特にインフレの傾向が強く、このCost of Attendanceも例年数千ドル単位で増えている(07-08年度のCost of Attendanceは$50950であった)。

つまり、学校側の試算では、一年間大学に通うためには、学費300万円ほどに加え、生活費200万円ほどかかる、ということだ。四年間で2000万円以上になる計算だ。当然、このようなコストを払い続けられる家庭はそう多くない。そこで、ファイナンシャル・エイドという考え方がでてくるのである。学費の高さでトップレベルのハーバード大学は、同時に、アメリカの全大学の中でもっとも良心的なファイナンシャル・エイドの制度を持っていることでも有名なのである。

ファイナンシャル・エイドについて詳しくは、こちらの記事をご覧いただきたい

[1] Harvard College Financial Aid Office (http://www.fao.fas.harvard.edu/cost.htm)

海外大学への学部入学をお考えのみなさん

現在、日本で得られるリソースがかなり限定されていることは否めず、日本から出願する際の大変さは、現地の学生に比べれば、人一倍でが、その結果得られるものも大きいと思う。